中高年の心/悩み
中高年の心
私たち中高年と言われる年代になると、仕事の上では円熟期に入り、家庭では子供は巣立ちを迎え、人生中間移行期であるといわれます。
親としての役目も終わり、ほっと一息つく頃ですね。
それと同時に、今まで家族中心として守ってきたもの、守らなければならなかったものの義務感から解放されたような気持ちになる時期かもしれません。
一方では体力・気力の衰えの自覚から、これからの人生に不安や焦燥感を抱き、生き方の問題に直面する時期でもあります。
この時期になると、自分はこれでよかったのか・・・もっと違った人生があったのではないか・・・自分の歩いてきた道を振り返り、ふと空しさ、寂しさが心の中に入り込み、心が病んでしまうという方も少なくありません。
多くの人は新たな目標を見つけ、それぞれ自分なりの人生の再構築をしていきます。しかし、この時期が精神的に不安定であるため、悩んでいる過程において「ストレス」が過度の状態になり、「不安障害(神経症)」や「心身症」、「うつ病」に発展してしまうことがあります。
心の病は幅広い世代にわたって発症しますが、患者数のもっとも多いのが40〜60歳代の中高年層です。
50代に自殺率のピークが来ていることからも分かるように、中堅管理職として、重くのしかかってくる仕事への責任、または、リストラへの不安、体力の低下、身体的な病気、老後への不安など、この時期は多くのストレスが存在します。
中年期は第二の思春期、さまざまな変化が起こる中で自分を振り返らざるを得ない時期といえるでしょう。そして、高年期では退職、そして老後の過ごし方などが、が大きなテーマになってきます。
不安が大きくなったことに気づいたとき、誰かに相談できればいいのですが、それができずに一人で抱えてしまう・・実はこの傾向は男性に多くみられます。一般的に男性は女性よりも、年をとればとるほど、心の葛藤をうちあけることを恥ずかしいこととして否定してしまい、一人で苦しみ悩んだあげく、取り返しがつかない自体になることもあります。
恥ずかしいことではありません。そして、どうか我慢をしないでください。気づいたときには早めに専門医に相談してください。
もう今まで十分頑張ったのですから・・・あなたを縛り付けるものはありません。あなたはもう自由なのですから・・・
中高年の悩み
現代人の多くはストレスを抱えていると言っても過言ではありません。
特に人生の折り返し点である中高年期は、心の悩みが出やすい時期です。
シニア対象のサイトを持っていると色んな方からのメールをいただきます。
時に悩み相談室的なものになってしまうことも度々です。^^;
その中でご本人の了解のもと掲載させていただきました。
「あと数ヶ月で定年退職の予定です。ある程度老後の蓄えもあり、年金と合わせて生活に困ることはありません。夫婦仲は良くも悪くもなく淡々としたものですが、今流行りの熟年離婚にはなんとかならずにすみそうです。
私の悩みは、退職後、何もやることがないことです。仕事一筋でやってきた私は企業の中でしか出来ることがなく、仕事以外にこれと言った特技もなく、趣味もありません。
正義感が特別強いわけでもありませんし、ボランティアにも関心がありません。どうしたら老後を楽しむことができるのか今ひとつ分からず、こんなことでは濡れ落ち葉ごとく妻子に迷惑をかけるのではないかと心配です。」
文面からも、真面目で実直なお人柄が感じられますね。
大変贅沢な悩みのように見えますが、実はこのような悩みを抱えている方が結構多く、この年代の方にとっては深刻な悩みとも言えます。
経済的な面や健康に関することであれば解決すべき方向や目的がハッキリしているため考えようもありますが、終身雇用、生涯雇用の時代、真面目に勤務してきた実直な方ほど心の悩みはそうもいかないことが多いものです。
そんな方が、老後の生き方を自分で決める、というのもなかなか大変なことですよね。
自分の生き方は自分で決めるのがカッコいい、というような風潮もあるために、そうすべきだと真面目に思い込んでいらっしゃるのかもしれませんが、生き方を必ず自分で決めなければならないとは限りません。人が決めた道を歩むのもまたその人の生き方と考えるのも悪くありません。
少なくとも、定められた道を歩んできたあなたはその方が性に合っているかも知れません。
人生80年と言われる今、例えば、60歳で定年退職を迎えた後の20年間は、自由に使える自分の時間です。
これからはその自由な時間をあなた自身のために贅沢に使ってください。
ゆったり・・・ゆっくり・・・心豊かに過ごしましょう。
「青春とは心の若さである。信念と希望にあふれ、勇気にみちて、
日に新たな活動を続けるかぎり、青春は永遠にその人のものである。」
-- 松下幸之助--