ドメスティック・バイオレンス(DV)
DVとは・・・
配偶者や恋人など親密な関係にある対象者に対して、身体的・性的・心理的攻撃を含む暴力を、「繰り返し」行うことをドメスティック・バイオレンス(DV)言います。
内閣府(旧総理府)が平成11年度に実施した全国調査「男女間における暴力に関する調査」では、「命の危険を感じるくらいの暴行を受けた」経験のある女性は4.6%→20人に1人の割合になります。
妻からの離婚調停の申し立て理由の約3割は「夫の暴力・酒乱」で、この割合は20年来変化していません。毎年10000人以上の女性が「夫の(身体的)暴力」を理由に離婚している訳です。
1)身体的暴力・・・殴る、蹴るなど
2)精神的暴力・・・脅す、ののしる、卑下する、無視するなど
3)経済的暴力・・・生活費を入れない、借金を重ねるなど
4)社会的暴力・・・手紙・電話の監視、行動の監視、制限、親兄弟・友人との付き合いを禁じるなど
5)性的暴力・・・・強要、暴力的、避妊に非協力、浮気など
国内では2001年4月にDV法が制定されました。でも、まだまだ内容は不充分であり、各相談機関の連携や、担当者への教育も今後の課題の一つです。
DV予防法においては、「配偶者からの暴力」とし、平成13年法31号は「配偶者からの暴力の防止及び、被害者の保護に関する法律−−総則の定義第一条において
1条「配偶者からの暴力」とは配偶者(婚姻の届出をしていないが、事実上婚姻関係と同様の事情にある者を含む)からの身体に対する不法な攻撃であって、生命または身体に危害を及すものをいう。
2条「被害者」とは、配偶者からの暴力を受けた者(配偶者からの暴力を受けた後婚姻を解消した者であって、当該配偶者であった者から引き続き、生命または身体に危害を及すもの)をいう。
第2条では、国及び地方公共団体の責務として、婦人相談所と配偶者暴力相談支援センターを都道府県に設置し、その機能を果たすようにするものとなっています。
シェルターや支援グループも、ほとんどがボランティアで運営されており、アメリカのように税金から多額の予算が組まれたり、多くの寄付金が集まることもありません。
近年、都道府県に設置された配偶者暴力相談支援センターを利用される方は多く、夫の暴力に堪えきれず訪れる方達です。
なかでも、10年も20年も辛抱して、尚かつ、夫がいつか暴力をふるわなくなって、自分に手をついて謝ってくれる日がくると信じて、それだけを希望に生きている人。
夫は自分が一緒にいなかったら生きて行けない。一人ではなにもできない。自分が見捨てたら死んでしまうかもしれないと訴える人もいます。
経済的にも社会的にも、まだまだ男性優位の社会です。
男性がさまざまな「力」を使って女性を「支配」し、コントロールしようとするのがDVの本質で、被害当事者の95〜97%が女性です。
男性の方々から「その逆だってある」「男性ばかりが悪いように言うな」という、お言葉が返ってきそうですが、でもそんな協議をしている場合などないほど、事態は深刻だということを考えなければなりません。
女性だけでなく、男性こそ、このDVという問題に向き合い、考えていただきたいと思います。
「妻だから(夫だから)こうするのが当然の義務・役割」と思わず、感謝の気持ちや言葉を忘れず、お互いの人格を認め合い対等な関係の良きパートナーとして日々を過ごしたいものですね。