神経症(ノイローゼ)
神経症とは・・・
神経症とは、精神的な疲労や「ストレス」などによって心身にいろいろな障害のでる「心の病気」です。
ひとむかし前、神経症のことをノイローゼと言われていました。
ノイローゼとはドイツ語で、日本の医学がドイツの影響を強くうけていたころのなごりと言われています。今でも使われていることが多いようです。
神経症は「心身症」とよく似た心の病気なのですが、症状としては神経症は「心」なのに対して、心身症は「身体」に現れます。
何となく心の働きがスムーズにいかない。かといって、「精神病」とまでいかない。そんな程度の軽い心の障害と言っていいでしょう。
神経症は、社会的環境によるストレスと、人間的環境にその人がうまく適応できない性格(パーソナリティ)が原因で発症します。
神経症になりやすい性格としては、自律神経が過敏でわがまま、過度に几帳面、完璧主義、強い依存心、虚栄心、見栄っ張り、自己中心的、極度の負けず嫌いなど、偏った性格と言えます。心配性で些細なことに神経を使いすぎる人も要注意です。
神経症の症状は・・・
症状には、そのときの状況によって非常にさまざまな形がありますが、共通する特徴は強い不安と緊張です。
主な症状として
・不安神経症(病的な不安感が続き、動悸や息苦しさ、手足のしびれなどの症状がでる)
・脅迫神経症(不合理な考えが頭から離れず、不安と恐れが浮かぶ)
・恐怖症(赤面恐怖、対人恐怖、高所恐怖、閉所恐怖、不潔恐怖など、特定の場所や物が怖い)
・心気症(常に自己の体調に注意を向け、実際には病気ではないのに病気ではないかと思い悩む)
・etc
治療と対処法は・・・
神経症は精神病と違い、本人は病気に対しての自覚症状があります。年齢がいって中年期になると、若いときの神経症がなおってしまったという場合もあります。
症状が進行して、重い精神病に移行すると言う病気ではありませんが、治療は必要です。
治療には、抗不安剤、抗うつ剤の他、精神療法、行動療法、暗示療法などが行われます。
神経症の人は、本人が思っているほど社会適応能力は悪くありません。環境を調整すると良くなる場合もあります。
軽いからといって放っておかずに、勇気を出して、乗り越えて行きましょう。
「大切なのは周りの価値観に合わせるのではなく ”自分らしく”生きること」
−−− 海原純子(医学博士) −−−