穏やかな日々のために・・・
夫婦の絆
中高年になると、とかく異性に関して無頓着になりがちです。
相手が何を考えてるのか、どうしたいと思っているのか、考えるのさえ面倒になってきます。
都内に住んでいる、純子(仮名)さんのお話を例に挙げてみることにしますね。
純子さんは、25歳で結婚し、現在52歳。子供は二人います。旦那様は58歳会社員、純子さんは昼間パートタイマーの仕事をされています。子供達はそれぞれ独立。旦那さんとはセックスレスになって約5年ほど。セックスレスとなったきっかけは得に無かったそうです。肌を触れ合わす回数が年々少なくなって、その内に面倒になってしまって・・・その上、更年期も手伝って、増々セックスどころか手も触らなくなってしまったというのです。
長年連れ添ったパートナーも、そうなれば空気みたいなもの。夫婦というよりも、「家族」という表現の方が適しているでしょうか。
今更異性として見ろといわれても・・・「セックスしよう」なんて言ったら露骨にイヤなつき顔されそうだし・・・別に愛が無くなったという事ではないのです。単に、お互いがセックスの対象では無くなってしまったと言うことでしょうか。
世の中高年のご夫婦の大半がそう思っているのではありませんか?
朝日新聞社の行った調査結果では、夫婦の4組に1組はセックスレスという結果がでたそうです。その原因として「性的回避」「性嫌悪」「性欲減退」「勃起障害」など・・・。
「女性の更年期障害」のページでは、更年期に入ると、卵巣の機能が衰えはじめ、卵巣から分泌されるエストロゲンの分泌量が減少し、そのため、さまざまな障害が出てくると言う説明をしましたね。
エストロゲンの低下は、膣内膜が薄く萎縮し、うるおいが少なくなるという変化が起きます。
多くの更年期世代の女性が、このエストロゲンの低下でのうるおい不足により、性交時に痛みが起こったり、膣に傷がついたり、簡単に炎症が起り、細菌に感染することもあります。
性交痛ばかりでなく、女性にも元来、性欲をうながす男性ホルモンの分泌がされてます。そのホルモンが出なくなるために性欲そのものもなくなって行きます。
したくないのに痛い、痛いからなおしたくない、の悪循環で結果、セックスレスが増えることになります。
女性の性交時の痛みと言う悩みは、他人に相談しにくく、パートナーにもなかなか伝え辛いものです。
一方、男性の性機能はテストステロンの減少により、性欲の減退やED(勃起不全)といった症状が現れます。
性交時に十分な勃起が得られない、あるいは十分な勃起が維持できない状態をすべてEDと呼びます。
マスターベーションでは射精まで十分な勃起状態を保てるのに、いざセックスとなるとうまくいかない、他の女性とは問題なくセックスできるのに、恋人や妻ととなると、やる気はあるのにできないというのも、EDと考えられます。
したいのに出来ない、出来ないからなおしたくない、の悪循環で結果、こちらもセックスレスが増えることになります。
一般的に女性は50歳代前半で、男性は50歳代後半に多くその現象が見られるようです。
そんな噛み合ない中高年夫婦が、一つ屋根の下で暮していることになります。
男性は女性の体の変化を理解しないまま求めることで、女性は「痛いからしたくないという体の変化への不安。または、応える事が出来ない事への罪悪感」。男性は「なぜ避けられるのかという不満」がおこり、ここに中高年の性の不一致問題、セックスレスが存在します。
ですから、双方ともこれを自分だけの体の問題として悩まず、女性は痛みを感じたら、我慢しないで相手に率直に伝えることが大切です。
男性はこのような変化を認識し、お互いにそれぞれの状況に応じたコミュニケーションを考えてみませんか。
それでも、なかなか改善しない場合には、セックスカウンセラーやセックスセラピストに相談するのも一つの方法ですし、性交痛の多くは、ホルモン療法や潤滑ゼリーを使うことによって解決する場合もありますので、婦人科を訪れるのもいいでしょう。
そこまでしなくても、今まで問題なく過ごしてきたのだからと思っているあなた。
性という字は「心」を表す偏に「生」と書くように、人が心豊かに生きる上で大切な営みなのです。
明るくオープンに語れる雰囲気作り、お互いの体をよく知り、大切に考える心を育んでください。
一昔TVで流れていたチャーミーグリーンのCM。あれを見て、どう思われましたか。
老夫婦が仲良く手をつないでいる姿は、全ての人が微笑ましく穏やかな気持ちになられたのではないでしょうか。
夫婦の関係はセックスだけではありません。
中高年と言う年代になって、子どもも独立し、また夫婦二人だけの新婚時代のような時が持てたのです。
体を触れ合う、思いやりのある言葉をかけ合うことなどして、『今を大切に』、お互いの年齢に応じた新たな関係を育てていく良い機会です。
セックスに限らず、パートナーとの触れ合いを更年期の今こそ大切にしたいですね。
もう一度、暖かな気持ちが触れ合う関係が持てるといいですね。
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