女性の更年期障害

更年期障害とは・・・

  ・気分が沈んで憂うつだ
  ・夜、よく眠れない
  ・冷える・のぼせる
  ・食欲がない
  ・動悸がする
  ・疲れやすい
  ・落ち着かず、イライラする

 こんな症状を訴えたら、周りの人は口を揃えて「更年期障害じゃないの」という反応が返ってきます。それほど一般の人に浸透している更年期障害。

 更年期障害とは一体なんでしょう。

 女性の一生は、大きく分けると「幼少児期」「思春期」「性成熟期」「更年期」「老年期」の5つに分けることができます。
 そのうち、更年期とは、閉経前後の40代半ばから50歳代半ばまでのことを指し、性成熟期から老年期への移行期と言われています。要するに、月経が終る閉経前後の時期です。

 更年期に入ると、卵巣の機能が衰えはじめ、卵巣から分泌される女性ホルモン(エストロゲン=卵胞ホルモン)の分泌量が急激に減少し、エストロゲンの欠乏により脳の自律神経の調節中枢機能が変化するためにおこる様々な障害をさします。
 ホルモン分泌のバランスは、環境の変化、家庭や職場などでのストレスなどによっても乱れます。

症状と対処法は・・・  

 更年期症状が出るのは女性全体の75%ぐらいと言われています。

 女性ホルモン分泌の乱れに対して体や心が敏感に反応する人と、それほどでもない人がいるので、症状の強さにもかなり個人差が見られるようです。
 まったく自覚症状がない人もいれば、あまり苦もなく乗り切ってしまう程度の軽い人、症状が重くて治療が必要な人もいます。

 初期症状は、不眠から始まり、頭痛、めまい、動悸、ほてり、倦怠感、関節痛、憂うつ症など。女性ホルモンの関係から出る症状として肩こり、腰痛、月経の乱れ、性交痛、不正性器出血、トイレが近い、便秘や下痢などがみられます。

 このように更年期障害では多くの症状がありますが、これらの症状が更年期障害によるものとは限らないということに注意しましょう。

 更年期症状だと思って放っておいたら、実はほかの病気だった、というようなこともあります。我慢や無理をしないで、気になる症状が現れた時には産婦人科、泌尿器科、内科(循環器科)などに相談しましょう。また、運動療法やカウンセリングなどを受けて、更年期を少しでも体調よく過ごしましょう。

 更年期は誰にでも来る女性の体のごく自然な体の変化です。ただ、女性ホルモンがもっとも大きく変化する時期なので、その変化に体が慣れるまでに時間がかかります。体が慣れたら、更年期の変調もおさまり、その後は多少の症状はあっても安定した時期を迎えますので、安心してください。

 気持ちが憂うつな時、眠れない時には、ゆったりした音楽を聴いてリラックスできるようなことを試してみたり、食欲がない時は気分転換に外食をしたりと、なるべく気分転換を心がけましょう。趣味や仕事、ボランティア活動など何か打ち込めるものをもつもの良いでしょう。

 また、この時期を乗り切るには、ご家族や周囲の方の理解が大切です。話を聞いてあげると、気持ちが楽になり、症状が緩和されることも多いので、ご家族の方は会話の機会をできるだけ多くもつよう心がけてあげてください。

 更年期はよりよい高年期を迎えるための準備期間です。
 周りの人の理解も得ながら、この時期を上手に乗り切っていきましょう。


   「ボンジョルノ、とあふれる笑顔で声をかけられると、
    それだけでしあわせな気分になる
    あたたかい声
    それは何よりの贈りもの
    だから私も元気にあいさつをしてみる
    こんにちは
    どんなに気分が落ち込んだときでも、
    声を出して誰かにあいさつすると元気は出てくるものだ。」
                     −−− 海原純子(医学博士)−−−