田舎暮らしを楽しむ

 第二の人生を歩む場所として、夫婦二人でのんびりと田舎暮らしをしたいという方が増えています。
 緑豊かな大自然の中で、風に揺れる木洩れ日と透き通った小川のせせらぎ。体の中から浄化されそうですね。
 都心では考えられないくらい、ゆったりとした時の流れを感じます。
 でも、田舎暮らしもいいことばかりではありません。
 わたしは田舎生まれですので、ここでちょっとご忠告。
 便利な都会生活に慣れた人が、果たして田舎で生活できるのかと心配です。
 近くにスーパーがない。病院がない。郵便局も銀行もない。それに携帯の電波が入り難い。車がないと、無人島と同様です。
 ないないずくしで不便だし、地元の人との近所づきあいも結構大変です。
 庭にお野菜を作って・・慣れない土いじり、自給自足も一長一短にはいきません。元気なうちはなんとか凌げたとしても、老化は進む一方。足腰が弱って体が思うように動けなくなったときのことも考えましょう。
 それでもやっぱり田舎に住みたい!
 そんな方のために、都心で暮しながら、週末には自然の中でゆったり過ごす。そんな新しいライフスタイル、マルチハビテーションをお勧めします。
 近い将来、田舎暮し実現のための予行演習と思っていただければ、楽しさも倍増です。
 若い方は不便な田舎での生活を嫌がり、日本全国の町や村では過疎化が進み深刻な問題を抱え、そのための対策に、さまざまな試みがされています。
 月1万円程度の家賃で1〜6ヶ月そこに住んでもらい、村を気に入れば、村営住宅に定住してもらうといったものや、都会の社会人を対象に、農作業や山仕事を体験してもらう事業を始めたところもあります。
 季節ごとに異なる姿で迎えてくれる山々、美しい水をたたえる渓流。野鳥と語らい、魚と戯れ、自然を思いっきり五感で感じ、生きている実感を味わってください。
 厳しい自然のなかにも、ほっとした安らぎを感じることができることでしょう。



老後を支える生活設計 TOP