対話(やりとり)分析
「自我状態の構造とその働きの分析」ページで3つの自我状態があることの説明をしましたね。
私たちはこの3つの自我状態を使って、相手に情報を伝えたり、相手を理解したりしています。
自我状態の区別が理解できると、その時、その状況に相応しい対話ができるばかりでなく、効果的なやりとりを意識的にコントロールすることができるようになり、相手の気持ちにより沿った快い対話につながります。
まず、「やりとり」には3つのルールがあります。
●第1のルール 相補交流・・・期待通りの応答が返ってくる
「今、何時?」・・「8時15分だよ」(A→A→A)
「言うとおりにしなさい」・・「はい、分かりました」(P→C→P)
●第2のルール 交差交流・・・予期せぬ反応が返ってくる
「早く起きなさい!遅れるよ!」・・「今日は日曜日です」(P→C A→A)
●第3のルール 裏面交流・・・言葉の意味とは裏腹な裏面のやりとり
『二重裏面』
表面「高いよ!もっとまけてよ!」・・裏面(あと少しでいいから)
表面「安くしてるんだよ、ほんと!」・・裏面(最後の切り札にするか)
表面は(P→C)裏面は(A→A)
『鋭角裏面』
表面「今日は何時まで残業ですかね」・・裏面(実は速く帰りたい用事があるんです)
表面「予定があるんなら今日はいいよ」
表面は(A→A→C)裏面は(C→A)
上記のやりとりの内、第3のルールである裏面交流の『鋭角裏面』が、相手の言葉を相手の気持ちを汲んだ言葉で返すという、一番心地よい会話と言えましょう。
こうした会話から、お互いの自我状態がどのように反応し合っているのかというのを、読み取ることを対話分析といいます。