自我状態の構造とその働きの分析

 エリック・バーン博士は人間の心の中には3つの自分がいると言っています。・・・構造分析
    

 そしてその中には5つの自我状態の働きがあると言っています。・・・機能分析
  

上記5つの自我状態は、本来「肯定的機能」と「否定的機能」を果たしています。

自我状態

肯定的機能

否定的機能

CP
支配的親

正義感 規律を守る 道徳的
 責任感が強い

指示的 偏見的 批判的
 過ちを許せない

NP
養育的親

思いやり 励ます 同情的
 元気づける 情が厚い

甘やかし 干渉しすぎ
 お節介

A
成人

論理的 客観的 現実的
 冷静 情報収集

理屈っぽい 冷たい
 機械的な感じ

FC
自由な子ども

本能的 直感的 天真爛漫
 のびのびしている

衝動的 お調子者
 自己中心的

AC
順応した子ども

順応的 我慢強い
 協調性がある 感情を抑える

消極的 閉鎖的
 自己主張しない

●CPの自我状態
*他人の長所より欠点が目につく
*規則を守らない人を見ると、直ぐ注意する
*他人のミスや欠点をトコトン追求する
*子どもをスパルタ式に(厳しく)躾ける
*他人が間違ったとき、直ぐに非難する
*他人の無責任な行動をとがめる
*子どもや部下に不平や文句を言わせない
*嫌なことは嫌とハッキリ言う

●NPの自我状態
*困った人を見るとつい手助けをする
*他人に援助の手を差しのべるのが好き
*よく他人の面倒を見たり、世話をする
*他人が幸福になることを喜ぶ
*他人の失敗や落ち度に対して寛大である
*「貴女の傍にいるとほっとする」と言われる
*他人を褒めることが上手である

●Aの自我状態
*物事を事実に沿って、色々な角度から検討する
*何事も情報を集めて冷静に判断する
*感情的と言うより理性的である
*行動を起こすとき、自分にとって損か得かを考える
*買い物は計画を立て、衝動買いをしない
*話をするとき、数字やデータを使う

●FCの自我状態
*周囲の人達と騒いだり、はしゃいだりする
*好奇心が強い
*遊びの雰囲気に抵抗なくとけ込める
*映画や演劇など娯楽が楽しめる
*我を忘れて子どもや動物と遊ぶことができる
*抵抗なく奇抜なことができる
*喜怒哀楽の感情を素直に表す
*行動を起こすとき、直感や占いなどに頼ることがよくある

●ACの自我状態
*嫌なことを嫌と言わずに抑えてしまう
*無理をして他人からよく思われるようにする
*他の人が決めたことには嫌でも大人しく従う
*思ったことをハッキリ言えず、後で悔やむことが多い
*他人の機嫌をとるようなところがある
*自分から積極的に行動することは少ない


 現在、自分の自我がどのような状態であるかを分析するには、エコグラムと言う方法を使います。
 エコグラムとは、自我状態シートと言う50問(5つの自我状態それぞれ10問ずつ)からなる質問に答え、自我状態の5つの機能の関係と精神的エネルギーの量を目で見えるグラフで表したものです。
 これにより、「今、ここで」自分がどのような状態であるかの”気づき”が、今後の自分の発展や人間関係の向上に極めて効果的であることが分かってきました。
 相手を知り、相手を受容することは、自己のタイプを知っているとコントロールしやすくなります。
 自己を分析したいと思う方は結構いらっしゃるのではないでしょうか。
 自己分析の結果は、自分が思っていた自分とは違うと思う方があるかも知れません。
 でも、結果によって自分が弱いところ、あるいは強過ぎて欠点となるところを見つけることによって、それらを意識して、より自分らしい自分に近づけることが可能なのです。




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