愛されたいあなたへ
癒される性であること・・・
「燃えるような恋がしてみたい」
若い時は誰もがそう思ったことでしょう。
でも、あのときの情熱はもうセピア色の遠い過去。
育児、家事、仕事に明け暮れて、ふっと隣を見ると「亭主」と言う名の同居人が・・・
子供も手が離れて巣だって行き、仕事も終盤にさしかかり・・・さて、この同居人とこの先何年も連れ添わなくてはならないとしたら・・・
あなたはため息がでますか?
それとも、また二人っきりの新婚時代に戻れると喜びますか?
後者ならば、あなたは幸せな日々を重ねてこられたのですね。
これから残された人生を二人、助け合い慈しみ合いながら穏やかな愛を育んでください。
でも、前者ならば熟年離婚になりかねません。
あなたのそのため息を吐息に変えましょう。
長く連れ添ったパートナー。馴れ合いのもとコミュニケーション不足になっていませんか?
−−美容院に行ってきたのに気づいてくれない−−
−−新しいお洋服を買ったのに無関心−−
−−好物のものを腕に依りをかけて作ったのに何も言ってくれない−−
「ありがとう」 「素敵だね」 「とっても似合うよ」
日本人は言葉によるコミュニケーションが苦手です。
私たちの生まれ育った世代。特に大半の男性は女性に対してそのような言葉をかけるのは「恥ずかしいこと」「照れくさいこと」と思っているのではないでしょうか。
でも、このひと言が女性にとってこの上ない幸せを感じるのです。
もちろん言葉によるコミュニケーションも大切ですが、中高年夫婦に少なくなりがちなのがスキンシップによるコミュニケーション。
スキンシップといっても、手をつなぐ、肩を抱くといったことから性交渉までいろいろあります。
「この歳で、何も今さら・・」とか「セックスなんてもう卒業・・」などと思ってはいませんか。でも、性に年齢は関係ありません。
人生80年時代といわれ、中高年期が長くなりました。
夫婦で過ごす時間がおのずと多くなるのですから、照れずに相手を思いやる気持ちを大切に、夫婦の絆をより深めるためにもスキンシップは大切です。
それにはまず、お互いをよく知ることですね。
年とともに男性の性機能は緩やかに減退する傾向にあり、女性もまた、閉経後には様々な肉体的・精神的変化が起きてきます。
身体的な面では、閉経後、ホルモンの分泌量低下が原因で膣や外陰部の粘膜はもろく弱くなり、萎縮してきます。そのため分泌液の不足で性交痛という苦痛を伴う事態になりかねません。
精神的な面では、閉経は女性にとってはショックで「女性喪失感」を抱く人がいることでしょう。でも、女らしさは失われた訳ではないのです。
女性の体の変化を理解しないまま求めることで、女性は痛みを伴うため「応える事が出来ない事への罪悪感や体の変化への不安」、男性は「なぜ避けられるのかという不満」がおこり、ここに中高年の性の不一致問題が生じることも少なくありません。
このような体の変化をお互いに理解し、二人だけの愛の時間は、相手を思い、相手の心を感じ、いたわり、 愛おし、恋しい、そんな気持ちで癒され、慈しみ合う性でなくてはなりません。
若いときはパートナーへの気配りなしに性欲のおもむくまま行われたセックスも、長年慣れ親しんだパートナーの身体を通したセックスは安堵するものですね。
愛情たっぷりの会話と前戯で、心から満たされる性を楽しんでください。
そして、その日常の努力の積み重ねがいつまでも若々しさを維持する秘訣ではないでしょうか。
中高年ならではの優しく、お互いをいたわり、癒される性で日常を豊かにしてほしいと思います。
どうでしょう。ため息が少しは吐息に変わりましたでしょうか。
「今あなたが不運な状態にあるなら、それはあなたがそうなるように仕向けた結果です。
逆に、今あなたが幸運に恵まれているなら、それもあなたがそうなるように仕向けた結果です」
-- ジョセフ・マーフィー(アメリカの教育家)--