道を歩いていて、何かにつまづいてケガをしたとします。
そのときの怖さや痛みが、あまりにも大きければ、もう二度とこんな思いをするのはイヤだと思うでしょう。
...絶対に、道でケガをしたくはないと思うのなら、次のような3つの方法があります。
ひとつ目は、これから後、絶対に道を歩かないということです。
道を歩くことがなければ、道でつまづいてケガをするということは100%ありませんよね。
ふたつ目は、道を歩くときに注意を集中して、絶対に何かにつまづかないように気をつけることです。
あるいは、自分が知っている道以外は、歩かないことです。
手探り足探りしながら、慎重にゆっくりと進んでいけば、よっぽどのことがない限りは、つまづくことはないでしょう。
また、決まった道だけを歩いていれば、つまづく可能性も低いですね。
危ないなと思えば、すぐに立ち止まったり逃げ出せばいいのです。
3つ目は、たとえつまづいて転んだとしても、ケガをしないように極限まで身体を鍛えるか、分厚い防具を身につけて守ることです。
充分に身を守っていれば、少なくとも大ケガをすることは避けられるでしょう。
この3つの方法のいづれかを使えば、もう道でケガをすることはないでしょう。
だけど、その代わりに失ってしまうことも多いのではないでしょうか。
ひとつ目のように、二度と道を歩かないことにすれば、自分の足ではもうどこにも行くことができなくなってしまいます。
つまり、今の場所に留まったまま、成長することも、違った世界を知ることもないことになるのです。
ふたつ目の方法を使うとすれば、かなりのエネルギーをとられることになることでしょう。
どんなに細心の注意を払っていても、道を歩いていれば、何かにつまづくこともあります。
それを避けるためには、本当に、歩くことだけに意識を集中していなくてはなりません。
これでは、道を歩くことが苦痛になってしまいそうですね。
それに、いつも決まりきった道だけを歩くのなら、やっぱりいつまでたっても自分のワクを超えることはできないのです。
3つ目の方法を選んで、つまづいてもケガをしないように身体を鍛えることだって、考えてみるだけでとても苦しそうですね。
鎧のような防具を身にまとっていれば、ケガをすることもないでしょうが、あまり見栄えがいいものではありませんし、第一、伸び伸びと歩くこともできないでしょう。
ケガをすることは、確かにイヤなことです。
でも、ケガをすることを恐れて、こんな方法を選んでいることは、もっと意味のないことなのではないでしょうか。
自分の足で、自由に好きなところへ行くためには、そして、もっと楽に、そこへ歩いていくためには、こんな方法を試してみてはいかがでしょう。
それは、歩くことを楽しむという方法です。
注意をしながら歩くのには越したことはありませんが、道を歩いていれば、ときには、何かにつまづくのは当然だと気楽に受けとめてみます。
何かにつまづいてしまったとしても、そこから何か学ぶこともあるだろうと柔軟に考えることも大切ですね。
赤ちゃんや酔っ払いが、つまづいて転んでも、少々高いところから落ちたとしても、あまり大ケガをしないのは、「怖い!」と身構えて身体を強張らせないからだと聞いたことがあります。
いろいろなことを柔軟に受け容れることができれば、大ケガをすることもないのかも知れませんね。
もちろん、人生だって同じですよ。
過去に、たとえ何かにつまづいてケガをしてしまったとしても、何も怖がることはありません。
柔軟に受け止めてみれば、その経験からも多くのことが学べるでしょう。
もっと大切なのは、望むところへ少しでもいいから自分の足で歩き続けること。
大丈夫。
もっともっと、歩いくことを楽しんでみましょうよ。
歩くことをやめないかぎり、必ず、いつかは本当に望むところへたどり着くことができるのですから。