毎日ではないのですが、ときどき会って、しばらく一緒にいなければならない人がいるとします。

そして、あなたは、その人のことをあまり気に入っていないと考えてみてください。
 
言うことやることが、どうも気に障りますし、考え方も、かなり自分と違っていて受け容れがたいのです。

だったら、無視していればいいのでしょうが、気になって仕方がありません。
相手が何かをするたびに、それは間違っていると咎めたくなりますし、話を聞くとイライラしてきます。

だから一緒にいるときは苦痛です。
 
その人を変えたい、言動を正したい、という衝動にかられて、いろいろがんばってみますが、なかなかうまくはいきません。
 
いつも心が、その相手にひっかかって、どうすることもできないのです。


...気に入らないその誰かと一緒にいるとき、そんなふうに時間を過ごしているとしたら、あまり意味があるとは言えませんね。

相手を変えようと躍起になっても、それは無理でしょう。
その人が望んでいるのならともかく、相手は、相手なりの理由と正当性があって、そう考え、行動しているのです。

気に障る相手の言動ばかりを気にして、嫌な気持ちになっているのは自分。
その間は、自分の成長にとって意義があることがまったくできていないのです。

だったら、どうすればもっと生産的な時間を過ごせるのでしょうか。

ひとつには、相手にばかり向いている自分の意識を、もっと広い世界に向けてみることです。
そうすると、視野が開けて、今自分にとって、本当に大切なものは何かが見えてくるかも知れません。

もうひとつは、気に入らなくてもとにかく相手を受け容れてみることです。

そんなオープンな目で見てみると、ひょっとしたら、相手とのズレが自分を見直すきっかけになって、新たな『気づき』を得られるかも知れません。

そして最後に、相手を変えようとするより、自分ができることを精一杯やってみることも大切です。

できないことをやろうと、一生懸命にがんばって時間を無駄にするよりも、今、自分にできることは何かを考え、そこにエネルギーを注ぐのです。

それは、必ず自分の成長に役立ちますし、結果として、まわりの人や環境などに変化をもたらすこともあるようです。

つまり、

 ・相手を気にして意識を集中しないで、視野を広く持つ。
 ・受け容れる
 ・自分ではどうしようもないことに努力するよりも、自分が今できることにエネルギーを使う。

これが、どんな相手と一緒にいても、大切な時間を自分にとって意義あるものにするための秘訣なのです。

これは、確かにそうですよね。
 
そして、本当に知って欲しかったのは、その気に入らない誰かとは、実は、私たちの、「悩み」「問題」「障害」なのだということです。

・その悩みや問題ばかりに意識を集中せずに、一歩離れて、広い視野を持ってみると、いろいろなことが見えてくる。

・一度、自分を悩ませているものを受け容れみると、前に進むための新たな発見があるかも知れない。

・自分の力ではどうしようもないことで悩んでいるよりも、とにかく、今の自分ができることを精一杯やる。それが現状を変えることにつながっていく。


...誰と会っても、どんな出来事が現れても、それをどう受け止め、どう自分の成長の糧にしていくのかは、私たちの心が決めるのです。

どう輝くか、どれほどすばらしい幸福を手に入れるのかも、選ぶのは、私たちの心なのですよね。