人と会うと緊張する。
会社へ行くと疲れてしまう。


そんな人は、ひょっとしたら相手や会社のワクに、無理やり自分のワクを合わせよううとしているのかも知れませんよ。

人それぞれ、考え方やものの見方は違っています。
すべての人が、その人なりの『ワク』を持っているのです。
 
会社や学校などの組織にも、それぞれ独特の雰囲気や掟のようなものがありますよね。
それが、その組織のワクなのです。

そして、私たち自身も、自分固有のワクを持っています。
今まで培ってきた、自分なりの考え方や嗜好、価値観などのことです。
 
ワクの形や大きさはさまざまですし、ワクのある位置もみんな違っているようです。

人と会ったとき、会社へ行ったとき、そのワクに、何とかして自分のワクを合わせようとするのは、とても辛いことです。
だって、その間、ずっと自分のワクを変えていなければなりませんからね。

だから緊張したり、疲れてしまったりするようです。

かといって、自分のワクのままでいると、相手や組織のワクからはみ出してしまいます。
自分自身のワクを押し付けてばかりでは、コミュニケーションも円滑にはいかないでしょう。

もちろん、相手や組織のワクを自分のワクに合わせようとしても、それは無理というものです。

それならいっそのこと、完全に相手や組織のワクに合うように、自分のワクを変えてしまった方が楽だ。

そう思う人もいますが、実際には、それは難しいことですし、たとえ、自分らしさを捨てて、無理に自分のワクを変えたとしても、かえって窮屈になってしまうでしょう。

ではどうしたらいいのでしょう。
 
いつまでも、人と会えば、相手に合わせようと身構え、会社では、納得できないことでも、黙って受け容れていなければならないのでしょうか。


...ちょっと思い出してみてください。
 
あなたのまわりにも、どこへいっても自分らしくいて、誰と会っても自然体でいることができるけれど、すべてがスムーズにいっている、という人はいるでしょうね。

その人は、自分のワクを変えたり、押し付けようとはしません。
それでいて、相手や組織のワクを無理に自分に合わせようとすることもないのです。

どうやったら、そんなふうにうまくいくのでしょうか。

きっと、そんな人たちは、自分のワクとは違ったワクに出会ったときに、自分のワクを大きくして、受け容れているのでしょう。
 
自分のワクをしっかりと持っていながら、相手のワクも尊重します。
相手のワクも包み込むことができるように、自分のワクの形や位置にこだわることなく、広げていこうとするのです。

これならば、どんなワクに出会っても、苦しむことはありませんよね。
それどころが、いろいろなワクに出会うたびに、自分自身も、さらに大きくなっていくのです。

自分は自分らしく、相手は相手らしくいることができるのです。

もっと柔軟になって、自分のワクを広げていくことが、楽に生きられる秘訣なのですね。

さっそく、今日からはじめてみましょうよ。


え?
とてもじゃないが、自分にはそんなことできないって?

...まずは、その考え方のワクを、少し広げてみてくださいね。