この文を読んでいるあなたは、自分の呼吸を意識していますか?

もちろん息はしているはずでしょうが、そう言われるまで自覚することもなかったのではないでしょうか。
 
さらに、床に当たっている足の裏の感覚も、まばたきも、舌の位置も、きっと感じている人は少ないでしょうね。

私たちは、今この瞬間にも、とてもたくさんのことを知覚しているのですが、実際には、そのほとんどには意識が向かうことはないようです。
だからこそ、私たちは、必要なことに集中することができるのですよね。

ところが、たとえば鼻が詰まって息が苦しい、ということになれば、イヤでも呼吸を意識してしまいます。
身体のどこかに痛みを感じれば、やっぱりそこに注意が向いてしまいますね。

その苦しさや痛みを持ったままでは、必要なことに集中することはできません。
といって苦しさや痛みを無理矢理押さえ込んで感じないようにしては、かえって、そこに向かう意識を大きくするだけです。

でも、ちゃんと手当をしたりして、苦しさや痛みの原因を取り除けば、また自由に自分のやりたいことに立ち向かえますね。

 
心が痛むとき。
落ち込んでしまったとき。

そんなときも、それを否定して感じないようにしたり、「こんなことではダメだ!」、と自分を責めれば、余計にその苦しみを拡大することになってしまいます。

私たちの意識と、その下にある無意識は、反対の方向に向いていることが多いようです。

 「もうダメだ!」
 と意識で思うときには、
 「もっとがんばりたい!」
 と心の底では望んでいるはずです。

 「死んでしまいたい」
 と思えるのは、
 「もっと良く生きたい」
 ということの裏返しなのでしょう。

否定的な意識の「ことば」が生まれたのは、一生懸命、自分の願う方向に向かって行こうとしたけど、ちょっと躓いたり思うようにいかなくて、自信を無くしているからのようです。

意識の「ことば」を、無視したり押さえ込んだりしないで、身体の痛みや苦しさを手当するように、ちゃんと聞いてあげてください。
そうすれば、無意識のなかの「ことば」が聞こえてきます。

自分は、本当は、何がしたいのでしょうか?
何を望んでいるのでしょうか?

それこそが、今の自分にとって本当に必要で、意識を向けて、進んでいくべきところなのでしょう。
そして、そこに向かっていくエネルギーは、いつも自分のなかで、出番を待っているはずです。

後は、そのワクワクする旅を楽しむだけですよね。