仕事でミスをしてしまった。
電車に乗り遅れた。
忘れ物をした。
そんなとき、自分に対して腹がたつということはないですか。
そんなちょっとした失敗をするたびに、自分のことを、「バカ」だとか、「まぬけ」だとかいってののしったり、「何て、自分はダメなんだろう・・・」と非難したりはしませんか。
もしそんなことをしている人がいたとしたら、ちょっとこんな話を知っておいてください。
それは、少し前のアメリカでのことです。
年末も近づいてきたある日、ジョン・アダムソンという少年が、地域の民生委員の男性に連れられて、町の洋服屋にやってきました。
ジョンの家は、とても貧しく、生活保護を受けなければやっていけなかったのです。
民生委員の人は、もうすぐ新年を迎えようというのにボロボロの服しか持っていないジョンを可哀想に思い、新しい洋服を買ってやろうと思ったのでした。
洋服屋の主人は、ジョンの家庭の事情を知っていたので、店でいちばん安い、いかにもみすぼらしい服を持って来ました。
それを見た民生委員の人は、大声で言いました。
「おい、この子を誰だと思ってるんだ!今に、アメリカの大成功者になるジョン・アダムソンだぞ。もっと上等な洋服を持ってこい」
民生委員の人は、ほんの冗談でいったつもりだったようで、そのあと店の主人と大笑いをしたのですが、たったひとり、そのことばをちゃんと受け取っていた人がいました。
それはジョン・アダムソン少年、その人だったのです。
民生委員の人や洋服屋の主人は、そんなことをすぐに忘れていたでしょうが、ジョン少年は、そのことばをずっと忘れず一生懸命努力して、ついに実業家として大成功を収めるまでになったのでした。
ほんのひとことが、彼の人生を変えたのです。
意識していようと、していまいと、私たちが口にすることや聞いていることは、自分が信じていることなのだとも言えるようです。
「私は、引っ込み思案だ・・・」といつも自分に言っていると、実際にもそんな行動を取りますし、「自分は、みんなを引っ張っていく存在だ」と信じているのなら、本当にまわりに対してリーダーシップを発揮しようとするでしょう。
自分が認めて信じていることこそが、今の自分を作りだしているのですね。
だとしたら、自分に対して、どんなことばをかけてあげたいですか。
何かにつまづいたり、失敗するということは、次はもっとうまくやれるということです。
あなたは、今もすばらしいし、これからももっとステキになっていくのですよね。