あるゴルフ場のキャディーさんから聞いたことなのですが、見えにくい場所に池があるような難しいホールでは、「右手の方に池がありますから、絶対に右に打ってはいけませんよ」などとアドバイスしてはダメなのだそうです。
そうすると、ほとんどのゴルファーは、右に打つまいと気を取られすぎて、
打ち損じたり、かえって右の方にボールを飛ばしてしまうということです。
そのキャディさんは、こんなときには、
「このホールは、前に見えるあの大きな木の天辺に向かって打つのがいちばんいいみたいですよ」
と言ってあげるそうです。
そうすると、そちらの方に気持ちが向いて良い結果に結びつくことが多いそうです。
どうも私たちは、良いことでも悪いことでも、意識が向いていたり、心がひっかかっていることを自分の現実として引き寄せているようです。
つまり、今、自分が生きている世界は、結局は自分自身が創りあげたものの結果だと言ってもいいのではないでしょうか。
これは人間関係にも当てはまるようで、自分がまわりから受け取っているものは、やはり自分の心の反映なのだということになります。
たとえば、
「あなたはいつもセンスがいい洋服を着ていますね」
などと、お世辞にでも人から言われたとしたら、それからもっと服装に気をかけてセンスを磨こうと思うでしょう。
「あなたはとても明るい人ですね。笑顔がとてもステキですよ」
とことばをかけられれば、少々イヤなことがあったとしても、心を煩わされることなく笑っていようと努力するのではないでしょうか。
逆に、
「お前は何て意地悪なヤツなんだ」
と言われたら、何とかしてもっと意地悪をしてやろうと思うかも知れません。
そんなことばを口にだしているかどうかは別として、そう意識していることが、相手にそんな態度をとらせているようです。
人を信頼すれば、結局は自分も人から信頼されることになりますし、まわりにやさしくしていれば、自分もまわりから親切にされるでしょう。今の自分の環境も、自分自身が創りあげたものなのですね。
まわりに心を許せる人がいないと嘆いている人がいたとしたら、自分が人に心を許しているかどうか考えてみてはいかがでしょうか。
タネを蒔けば、やがては芽がでて花が咲きます。
そんな当たり前に思うことでも、信じることができないとどうなるでしょうか。
タネを撒いたものの、本当に芽をだすのか気にして、肥料や水をやりすぎたり、ちゃんと根が伸びているかどうか確かめようと掘り起こしたりするならば、そのタネは芽をだす前に枯れてしまうでしょう。
この世界の法則は、いつもとてもシンプルなのです。
自分が好きな花を咲かせようと思えば、そのタネを蒔いて、ただ信じて水をやるだけでいいのですよね。
もっと楽しく生きていくためには、ただ信じてみればいいのです。
相手の、そして自分のすばらしいところを・・・