英語には、「いちばん長くて、いちばん短くて、いちばん早い」単語があると聞いたことがあります。
とんちクイズのようなものですが、答えは『SMILES』です。
どうしていちばん長いのかというと、はじめの『S』と最後の『S』との間がにMILEがあり、1マイル(約1.6キロメートル)も距離あるからということです。
では、いちばん短いのはなぜでしょうか。
...それは、『SMILES』、つまり笑いがあると、すぐに楽しくなり、その楽しさが一瞬で相手にも伝わるからだそうです。
さらに、笑うことは、自分の内側に溜まっているモヤモヤを、手っ取り早く緊張をほぐせて、身体がリラックスできます。
実験によると、免疫力もアップすることも確認されているということですので、笑うことが健康へのいちばんの早道ですね。
だから、いちばん短くて、いちばん早い単語だということです。
な〜んだ、と思われたかも知れませんが、この話はけっこういろいろなことを教えてくれているような気がして、ずっと印象に残っています。
たとえば、笑うことには、他にも自分の内側に溜まっているモヤモヤを、あっという間に外へ追い払うことができる、という効用がありますよね。
笑っているときには、息を吐いています。
吐ききって苦しくなって、やっと息を継ぎ、またどんどん息を吐き続けるということを繰り返します。
息と一緒に、身体のなかのいらないもの、ネガティブなものが排出されていき、スッキリしてしまうような気がします。
思いっきり笑うと身体だけではなく、心も元気になるように思えますね。
ところが、笑いたいときに、笑いをこらえようとか、押し込めようとするとしたら、こうはいきません。
笑いを押し殺すためには、息を止めるか、吸い込んで堪えなくてはなりませんね。
内側のものが、外へ漏れないようにがんばって、いろいろなものを溜め込んでいなければならないのです。
これでは、心が便秘になってしまったようで、重苦しい感じにることでしょう。
いつまでもそんなことが続ければ、心にも身体にもあまり良くはないでしょうね。
泣くときだって同じです。
悔しさや恨みの気持ちで、シクシク涙を流すときは、たいてい歯を噛み締めて、息を止めてしまいます。
ネガティブなものが、いつまでも内側で燻っているような感じになっているのです。
そんなときにでも、思いっきり泣き叫べば、大きく息を吐くことができ、心身ともに浄化されるでしょう。
悔しさ、悲しみ、恨み、失望、不信,,,
いろいろなことがあって、泣きたくなることもあるでしょう。
でも、その経験が、いろいろな気づきを与えてくれたり、新しいものの見方を示してくれるのです。
辛いとき、悲しいときには、思いっきり泣いてもいいし、叫んでもいいのです。
十分にその経験を味わったら、いらないものは外へ出してしまいましょうよ。
...すぐそこに、思いっきり笑える出来事が待っているのですから。
そして、その経験も、味わって必要なことを学んだら、ただ手放して、また新たな旅をはじめましょう。
何も持っていたり、溜めていることはないのです。
私たちが出会う、どんな出来事も、今、もっと大きくなるために必要だからここにあるはずです。
そのことに感謝して、味わって、そして、出してしまいましょうね。
それが、心と身体と魂に、いちばん早くて、いちばんためになることなのですから。