以前にも書いたことがありますが、昔、合気道をされている方に教えていただいたことです。

よかったら、相手をみつけて、次のようなことを試してみてくださいね。

まず、ひとりが、「気をつけ」の姿勢をしたまま、真横に腕を持ち上げます。
そのとき、手のひらを上に向けて、腕を真っ直ぐに伸ばすようにしてください。
 
もうひとりは、両手でその腕をつかんで、肘のところで曲げるように力を込めます。
 
腕を伸ばしている人は、曲げられないように抵抗します。

どうでしょうか。
よほど腕力の差がある場合は別として、いくら力を込めて腕を伸ばして、がんばっていても、きっとすぐに曲げられてしまうでしょう。

面白いことに、曲げられないように抵抗すればするほど、腕を掴んでいる人にも、知らず知らずに熱が入って、どんどん力をかけていくことになります。
絶対に曲げてやるぞという気になってくるようです。

力が拮抗しているときなどには、ふたりとも疲れきって、息が荒くなってしまうこともあるのです。

次に同じ人が、もう一度、同じような姿勢で腕を伸ばしますが、今度は、曲げられないようにがんばるのではなく、こんなことを思ってみてください。

立っている自分の両足は、どっしりと大地に根付いていて、地球の中心から光の線が入ってきて、それが、身体を通り、伸ばした腕から指先を通り抜けている。

ずっと遠くの方まで、光が伸びていっている...

そして、もうひとりは、その腕を曲げようと思いっきり力をかけてみます。

すると、先ほどとは違い、不思議なことに伸ばした腕はビクともしないのです。
少々力の差があっても、なかなか腕は曲がらないでしょう。

興味深いことに、光をイメージしながら腕を伸ばしている人は、まったく疲れることはありません。
人によっては、腕を曲げられようとしていることさえ気にならないと思えることもあるようです。

腕を曲げようとする人も、何だか気が抜けてしまって、あまり力が入らなくなってしまうことも多いのです。


教えてくれた方は、こんなことを言っていました。

「人は、無理をしてがんばっていると、とても疲れてしまう。ただ自分自身でいるときに、いちばん強い力を出すことができるのです」


こんな目標を叶えたい。
こんな人になりたい。
人のために、こんなことをやりたい。

毎日がんばっているのに、こんなに一生懸命に努力しているのに、なぜか疲れてしまう。

そんなときには、ちょっと振り返ってみてくださいね。

その目標や目指していることは、すばらしいことなのでしょう。
そして、いつかは手にすることができるものなのでしょう。

でも、それは、今のあなたにとって、やりたいことなのでしょうか。
本当に、あなたの魂が喜ぶことなのでしょうか。

思い出してくださいね。
あなたは、あなたらしく生きているときが、いちばん大きな力を発揮することができるのです。

がんばることは大切ですが、無理ばかりせずに、ときには、自分の好きなように生きてもいいのですよ。