仕事でも、芸術でも、スポーツでも、何かをやり続けて、一定のレベルまで熟達した人のことをプロといいます。

プロはもちろんプロフェッショナルの略で、日本語に直すと「くろうと」となり、「玄人」と書きますね。
辞書で調べてみると、この玄人の玄は、「黒」色という意味があるようです。

そこから玄人の意味を、私流に解釈してみると...
「黒いものは黒だとはっきり言い切れる自信を持っている人」ということになるのではないでしょうか。
 
つまり、その道においては、自分なりの基準を確立していて、それによっていろいろ的確に判断し、行動できる「こだわり」がある人です。

さすがプロともなると、どんな状況においても一定の結果を残すように要求されるわけですから、自分なりの「こだわり」が大事になってくるのでしょうね。


逆に、まだ始めたばかりの人のことをアマチュアと呼びます。

これも和訳してみると「しろうと」で「素人」と書きます。

この「素」は何色にも染まっていない、ありのままの状態を意味するようです。
いろいろな可能性を秘めてはいるが、まだまだこれからで、発展途上にある
人のことですね。

当然、あまり「こだわり」もまだ持っていないことでしょう...

そして、この「素」は、「素直」の「素」でもあります。

プロという厳しい世界の中で、多くのプロ(玄人)が、一定の結果を維持するのに必死でがんばっているのに、何となく楽しみながら、並のプロを遙かにしのぐような結果を残している人たちが希にいます。

スポーツ界で言えば、オリックスのイチローとか、ゴルフのタイガーウッズとか...
いわゆるスーパースターと呼ばれるような人たちです。

もちろん彼らは、人並み以上の努力をしているのでしょうが、共通して言えるのはとても「素直」だということです。

彼らは、自分なりの「こだわり」を持ちながらも、それに「こだわる」ことなくいろんな人の意見やアドバイスをとても「素直」に聞き入れるそうです。だからカベにぶつかっても立ち直るのも早いようですね。

「こだわり」を持つことは、ある意味いいことではあるのでしょうが...

どうもあまり自分なりの「こだわり」に「こだわり」過ぎてしまうと、もう一歩大きく成長できる機会を逃してしまうのではないでしょうか。

「初心忘れるべからず」とはよく言ったもので、いつまでも「素人」のままでいるのも何ですが、「素直」さは無くさないようにしたいものですね。


あなたも私も、もう長い間生きて来て、人生においては「玄人」なのかも知れませんが...

素直になって、「こだわり」というサングラスを外してみれば、もっといろんな鮮やかな色が見えてくるかも知れませんね。