生涯を通じて人々に夢を与え、そして自分の夢を次々と実現させていった、
ウォルト・ディズニーですが、その夢の集大成といえるフロリダ州のディズニー・ワールドが完成したときには、もうこの世の人ではありませんでした。

「ウォルトが生きていたら、このすばらしい開園を目にすることができたのに、残念なことですね」

そんなインタビューを受けた、ウォルトの兄、ロイ・ディズニーは、こんなふうに答えたそうです。
「いいえ、この景色は、ウォルトがいちばんはじめに見ていたのですよ。
だからこそ、私たちが今、見ることができるのです」

私たちは、元気なときには少々の困難に出会っても、
「大丈夫、今までがんばってきたんだ。今度もきっと何とかなるよ」と軽く受け止めることができます。

そして、うまくいかないことがあっても挫けずに、成功するまでがんばることができるのです。

ところが、気持ちが落ち込んでいるときには、過去の失敗やうまくいかなかったことを次々と思い出してしまうようです。
「あのときもダメだったんだ、いくらがんばってもできっこないさ・・・」
そんなふうに思えてきて、ちょっとした失敗にもショックを受けて、先へ進んでいく気も起こらないかも知れません。

でも、考えてみれば、誰だって過去にはうまくいった経験もあれば、失敗したこともあったはずです。
はじめから自転車に乗れた人はいないでしょうし、生まれてはじめて水に入ったのにスイスイ泳げた人もきっといないでしょう。

私たちが、歩けるのも、字を読んだり書いたりできるのも、多くの失敗と成功を繰り返しながら身につけていったのです。
もっと大きなことだって、いくつも成し遂げているはずです。

でも、落ち込んでいるときには、成功した経験や達成したことなどをすべて忘れて、失敗したり落胆した記憶ばかりを見てしまうのです。
これは、私たちが出会う出来事が問題なのではなくて、その捉え方の違いだけのようですね。
 
そして、この世界の法則として、私たちが見ているものはクローズアップされて、やがては実現するというものがありますね。
失敗ばかりを見ていたとしたら、どんな現実を引き寄せることになるのでしょうか。

どうせ実現させるなら、もっとすばらしい夢の方がいいのではないでしょうか。

落ち込んでいるときにこそ、意識して、過去のうまくいった体験、成功した経験を思い出してみてください。

どんな小さなことでも構いません。
ひとつ見つかれば、
「そういえば、こんなこともあったな」と、次々と記憶に蘇ってくるものです。

そして、そんなふうに気持ちが前向きになってきたら、自分の夢をイメージしてみてください。
自分が、絶対に達成したいことや実現したいワクワクする目標です。

さっき思い出したように、私たちは無数の成功を積み重ねてきたのです。
つまづいたこともあったでしょうが、それは私たちを成功へ導く羅針盤だったのですよね

そんなふうに思えてきたでしょう。

そうしたら、自分の夢をもっともっとよく見てください。
それを手に入れた自分の姿を思い描くのです。

・・・あなたが今見ているものは、必ず実現するのですから。